知的財産室とは

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知的財産Q&A

 

Q1. なぜ、原則機関帰属となったのか?

A. 従来の国立大学等における発明に係る特許等に関しては、1978年の文部省通知により統一的な取扱いが定められていましたが、これはその前年の学術審議会答申の考え方に基づくものでした。

この答申では、学校教育法において大学教員の“職務”が「学生を教授し、その研究を指導し、または研究に従事する」(第58条)ものとされていること等に鑑み、発明行為を大学職員にとっての当然の職務と見なさず、当時の状況のもとで「学術研究の発展にとって、発明をどのように取り扱えば、発明に基づく特許の迅速かつ的確な有効利用を図ることとなり、かつ、研究者の新しいアイデアを生む意欲へとつながるか、更には、より長期的に見て日本の科学技術を開花させる方向となるか、等の観点から最善の道を選択」した結果として、大学における研究に基づく発明に係る権利は、原則個人帰属とすることが望ましいと述べられていました。

しかしながら、個人帰属とした場合、教員個人にとっては発明を特許化するための負担が大きく、また、特許化してもこれを育成し企業に発信・移転する有効な手段を持たない、あるいは発明が企業に移転されても死蔵されるなどにより結果的に発明が活用されない例も多くみられました。また、国により特許化された発明には企業化が十分には意識されていない、実施許諾の手続が煩雑で積極的な活用が図りにくいといった問題もあり、これらのことから、これまで大学で産み出された知的財産等が社会で十分有効には活用されてきたとはいえませんでした。

一方、米国では、1980年のバイ・ドール法制定により、政府資金により大学で生まれた発明を産業界との連携によって実用化に結びつけることが奨励され、その際生まれた特許権を大学に帰属させ、大学のポリシーのもとでTLO(技術移転機関、Technology Licensing Organization)を通じて組織的に管理・活用を図るシステムが導入されました。この結果、先端的な研究成果に基づくベンチャー起業を通じた技術の育成・活用が盛んとなり、90年代における米国のハイテク産業の興隆につながったといわれています。

現在、大学の第三の使命としての社会への貢献、なかでも「知的財産立国」の実現に向けて大学が自らの研究成果を主体的に育成し社会での活用を図ることが喫緊の課題として重要視され、そのための環境整備も進められるといった状況の変化が生じています。技術の社会への最適な移転を目指して、大学の研究から産み出された知的財産等を、教育・研究機関としての大学の立場を堅持しつつ、産学官連携のもとで主体的・戦略的に保護・育成しその活用を図ることは、大学にとって重要な役割であると考えられるのです。

以上のことから、学術研究の発展や科学技術の方向性、また知的財産等のより効果的な活用等の見地から「最善の道」を今日の時点で選択するとすれば、大学が知的財産等を保護・管理し、有効な活用を企画・推進する能力を有することを前提に、教員が大学で行った職務発明に係る特許権等のうち、大学が承継するものの範囲について見直しを行い、機関帰属を原則とすることが適切であると判断されたものです。 (参考:2002年11月科学技術・学術審議会技術・研究基盤部会産学官連携推進委員会知的財産ワーキンググループ報告書)

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Q2. 特許になる発明とは何か?

A. 自らの研究課題を解決するためのアイデア(工夫、新たな手法)の中には、特許の保護対象となる発明もあります。特許法では、発明を「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」(第2条第1項)と定義しています。

(参考)特許庁編『産業財産権標準テキスト(特許編)』(p.43)

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Q3. なぜ、特許出願すべきなのか?

A. 知的財産の本質は、創造者の保護、経営戦略の資源、公共財にあります。

エジソンの発明した白熱電球の知的財産は、創造者の権利として特許で保護され、GE社設立発展の元になりました。特許は創造者の権利を法的に保護し、新しい産業・商品の発展・普及に貢献するものでもあります。

経済がグローバル化した今日では、開発途上国の安価な労働コストによる製造販売が可能となっていることから、特許等により権利保護しない限り、大きな開発投資が必要なものは価格競争に敗れることとなり、実用化されなくなる恐れがあります。

医薬品のような公共性の高い研究成果についても、発明者の意図に反する結果になる場合があります。「特許を取らず論文発表で公共性を保とうと考えた研究者の論文発表を見て、応用・実用上での欠陥を解決する特許を出願した企業が、論文発表者の意に反して独占実施権を取得してしまった」、というようなことが実際起こっています。公共性を重視する場合であっても、研究者は特許を取得しその特許の活用に関して研究者が一番良いと考える社会貢献の仕方を行使するべきです。

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Q4. 特許出願費用はどこが負担するのか?

A. 本学単独で出願する場合と、企業等と共同出願する場合によって異なります。職員等の単独発明で、本学が承継した場合は本学が出願費用等を負担します。
企業等との共同出願に関しては、種々のケース(譲渡、独占的実施等)が考えられ、個別ケースによって企業等と相談のうえ出願費用等の負担はフレキシブルに対応します 。

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Q5. なぜ、発明を届ける必要があるのか?

A. 「知的財産立国」を目指すという国の方針のもと、本学においても特許取得・活用は本学の社会貢献の中でも重要なものの一つと位置づけています。 特許取得・活用を効果的に推進するために、職員等の発明等を本学が一元的に管理運用することとしたためです。
よって、研究戦略推進本部に置かれる知的財産評価審査部会の議を経なければ、発明者である本学の職員等が個人的に出願すること及び、特許等を受ける権利を企業等に譲渡することはできません。

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Q6. 共同研究・受託研究から生まれた発明の扱いはどのようになるのか?

A. 共同研究・受託研究を開始する前に、まず本学と企業等との間で契約を締結します。契約の中で、発明等の知的財産の帰属について、共同研究の場合は原則共有、受託研究の場合は原則本学、というように扱っています。

ただし、法人化を機に、受託研究の場合でも企業等と共有できる道も開いています。

共同出願契約等の条件については、個別の発明等ごとに企業等との話し合いのうえ取り決めます。
これら契約に関する業務は、研究推進課が担当し、研究戦略推進本部知的財産室のサポートのもと企業等との交渉や手続を行います。

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Q7. 奨学寄附金による研究から生まれた発明の扱いはどのようになるのか?

A. 職務発明として本学帰属になり、発明等の届出が必要です。発明等の内容によって本学が承継して本学単独で特許出願するか、発明者個人に帰属させるか又は寄附元と本学との共同出願にするか等が判断されます。発明等の届出を行わず、発明者が寄附元に譲渡することは発明等規則に反します。

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Q8. 先行特許はどのように調べればよいか?

A. 先行特許調査は、特許等の権利取得の可能性を見極めるだけでなく、自身の研究分野にどのような技術が存在しているかを調査・確認するために大変重要な研究プロセスです。本学では、発明等の届出にあたって質の向上を確保するため、発明者自身による先行特許調査を必須事項としています。特に特許庁のJ-Plat Patは技術用語によるキーワード検索が無料でできますので、ぜひ活用してみてください。

また、特許検索ツール「JP-NET」(日本パテントデータサービス株式会社)を導入していますので(パテントマップ作成機能もあります)、利用をご希望の方は研究推進課 知的財産係までご連絡ください。

※J-Plat Pat(特許情報プラットフォーム)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

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Q9. 特許相談は研究のどの段階で行うべきか?

A. 学会・論文発表する場合はもちろんのこと、研究のどのような過程であっても、特許について気軽にご相談ください。特許相談には、知的財産室のメンバーが対応いたします。また、弁理士(シニア・フェロー)による特許相談会も随時開催されていますのでご利用ください。

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